日本から輸出の機運醸成(2018/9/17)


アスク インドで山形のコメ栽培

米穀卸のアスク(山形市)はインドでコメの栽培を始めた。コメの国内消費量が減る中、酒米の品種改良など関連事業を広げてきた同社にとって海外生産は次の一手。目的は安価なコメの輸入ではなく、日本からの輸出促進だ。「日本のコメを安価な価格で味わえば、いずれ日本産のコメの購入につながる」(河合克行社長)と期待を寄せる。

山形郊外の自社の試験・調査田に5月、2人のインド人の姿があった。インドでアスクのコメ栽培の指導に当たる技術者で、同社で栽培を始めたのは2014年。土のペーハー地が異なるなど環境は大きく違う。通常、種もみベースで1㌶当たり8㌧とれるはずが2㌧しか取れなかった。肥料の工夫などで5㌧迄増え、来年から山形の代表品種「はえぬき」御本格栽培を始める。日本短粒種に対応するため精米工場も作り、5年後には300㌶規模に広げたい考えだ。

事業はインドでも和食レストランを展開するK・HUUSE(東京.新宿)と組む。同社の小河原淳社長は「安価に日本のコメを調達できると助かる。海外の日本料理店が使うコメは日本とは大違いで、誤ったイメージが広まりかねない」と懸念する。

理由は価格差だ。アスクもコメ輸出を手掛けているが「インドネシアを例にとると、関税も含めると現地では1㌕1000円になり、とても買えないといわれる」(アスクの海外事業を担当する河合龍太常務)という。

タイなどでつくられた日本米が広がる中、日本の技術で低価格の日本米を現地生産し、普及させることが先決と考えた。人口が増えるインドは市場としても魅力があり、「日本の農業技術が海外で通用することを示したい〕(同)という。

ただ、事業はこれから。インドから2人を招いたのも日本からの技術導入が進まず、きめが細かい手法を体験してもらうしかないと考えたためだ。さらに軌道に乗っても「栽培技術はすぐにまねをされる」(河合社長)と覚悟している。

考えているのが加工から販売までの仕組みづくり。日本では埼玉県の拠点にコールセンターを設け、電話営業で業務用米を販売する手法で成功した。インドでも採算に合う米作りに加えて販路の確保が大きな課題で、元地位合った一貫体制の仕組みを検討する。河合社長は「日本の米作りを守るためにも、現地生産が必要だ」と力説している。

【山形支局長 浅山章氏】

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