① 損益計算書
粗利率 〔p53〕
粗利益 ÷ 売上
〔理想 > 40%〕〔NG < 20%〕
高粗利率→価格決定力がある
販売費及び一般管理費(SGA)〔p56〕
SGA ÷ 粗利益
〔理想 < 30%〕
= 低ければ低いほどいい
ただし長期一貫性がより重要
※研究開発費も合わせて見る
研究開発費〔p60〕
研究開発費 ÷ 粗利益
= 低ければ低いほどいい
(SGA費+研究開発費)÷粗利益
※ 粗利益の何%食い潰されているか?把握
減価償却費 〔p66〕
減価償却費 ÷ 粗利益
〔理想 < 10%〕
= 低ければ低いほどいい
支払利息 〔p68〕
支払利息 ÷ 営業利益
〔理想 < 15%〕
= 低ければ低いほどいい
〔同業他社〕と比較。
同業界で最も低い企業
= 競争優位性を持っている可能性が1番高い
純利益 〔p81〕
純利益 ÷ 売上高
〔理想 > 20%〕
※ただし金融業は除く
EPS (1株あたり純利益)〔p83〕
10年単位の一貫した上昇
② 貸借対照表
純資産 (自己資本) 〔p87〕
純利益 (自己資本) = 資産ー負債
企業の正味価値
現金及び短期投資 〔p99〕
現金が年々増加する傾向がある
=競争優位性を持つ企業
過去7年間を確認 (多い方がいい)
保有されている現金が、社債や株式の新規発行、
資産や事業の売却によって生じたものならNG。
※ 大量の借入金には注意。
棚卸資産 〔p101〕
棚卸資産と純利益が共に増加する傾向
=永続的競争優位性を持つ
急激な増減がないか見る。
売掛金 〔p103〕
売掛金 ÷ 総売上高
=一貫して同業他社より低い企業
=競争優位性を持つ企業
土地及び生産設備 〔p110〕
莫大な金額になっていないことが望ましい
のれん代 〔p114〕
のれん代が増加しているか?
増加の場合、永続的競争優位性を持つ企業を買収しているか?確認。
ROA (総資産利益率)〔p123〕
ROA (総資産利益率)
= 純利益 ÷ 資産合計 (総資産)
あまりに高いROAは、競争優位性の脆弱さを表している場合がある。
ROAは、必ずしも高い方がいい訳ではない。
長期借入金 < 短期借入金 (※銀行株限定)〔p129〕
(銀行株を選定する場合)
長期借入金より短期借入金が多い場合、投資対象から除外する。
長期借入金満期 〔p134〕
長期借入金満期分が多い企業
=長期的競争優位性を持っていない可能性が高い。
※大量の長期借入金満期分が1年間に集中すると、一時的に株価が下がり、
絶好の買い場になる可能性がある。
長期借入金 〔p138〕
長期借入金 ÷ 純利益
理想 < 3〜4 年
3〜4年以内の純利益で完済できるかどうか?
長期借入金が少額もしくはゼロ
= 永続的競争優位性を持つ企業
自己株式調整済み負債比率 〔p144〕
負債比率 = 負債合計 ÷ 純資産合計
〔理想 < 0.8〕
※ 自社株買いに注意
※永続的競争優位性を持つ企業は、純資産(内部留保)が巨額に積み上げられる。
その純資産(内部留保)を自社株買いに注ぎ込む。
結果として、純資産(内部留保)は減少し、負債比率は上昇し、
永続的競争優位性を持たない凡庸(平凡&魅力がない)なビジネスと見分けがつかなくなる。
優先株 〔p150〕
優先株を発行しない傾向がある企業
= 永続的競争優位性を持つ企業
優良企業は収益力が高く、資金を内部調達できるため。
内部留保 〔p153〕
内部留保が長期の一貫して上昇する企業
= 永続的競争優位性を持つ企業
内部留保の増加 → 自社株買い + 増配(高配当)
☆内部留保の増加が1番注目ポイント☆
ROE (株主資本利益率)〔p158〕
永続的競争優位性を持つ企業は、収益性が極めて高いため、自社株買いに使える自由なお金が豊富にあることが多い。
ROEが、平均よりも高い。
=永続的競争優位性を持つ企業
ROE (株主資本利益率) (%)
=EPS (1株あたり利益) ÷ BPS (1株あたり株主資本) × 100
ROE (株主資本利益率) (%)
= 純利益 ÷ 純資産 × 100
☆注意点☆
自社株買いすることで、ROEを金融工学操作する場合がある。
自社株買い → 発行株式数 減少(=自己株式マイナス)
→ 高ROE
☆ 確認方法 (真のROE) ☆
自己株式の数字をマイナス(-) から プラス(+)に変換し、純資産に足してみる。
真のROE (株主資本利益率) (%)
= 純利益 ÷ {純資産 + (-自己株式)} × 100
貸借対照表に自己株式が存在すること
自社株買いの実績があること
=永続的競争優位性を持つ企業
レバレッジ (負債)には注意
競争優位性の質と永続性を評価するとき、巨大なレバレッジ(借金)を使って利益を出す企業は避けるべきである。
③ キャッシュフロー計算書
資本的支出 p173
資本的支出 (10年分 総額) ÷ 純利益 (10年分 総額)
理想 < 50%
長期的に純利益の50%以下
=永続的競争優位性を持つ企業
年間、一貫して純利益の25%以下
=さらに永続的競争優位性を持つ企業
株式の発行(償還) p178
株式の発行(償還)の数字が、マイナス(-)
=自社株買いしている
= 余剰資金がある
=永続的競争優位性を持つ企業
株式発行分-株式償還分=マイナス=自社株買い