賃借対照表の読み方〔29項目〕
ある企業に永続的競争優位性があるかないかを見定める際、バフェットがまず済ませておくことは、その企業がどれだけの資産(現金や不動産)を持っているのか、そして取引先や銀行や社債保有者にどれだけの借金をしているのか、という点の確認である。
企業が何を持っているのか、何を借りているか。
差し引けば、企業の正味価値が算出される。
全資産から全負債を引くと、純資産(自己資本)がはじき出される。
資産-負債=純資産 (自己資本)
流動資産のサイクルに注目せよ。現金はこうして生み出される。
流動資産は〔運転資産〕とも呼ばれる。なぜなら棚卸資産の売買をめぐる現金のサイクルを形づくっているからである。棚卸資産が小売業者に売却されると、この金額は売掛金に計上され、小売業者から回収された売掛金は、今後は現金の項目に計上される。
現金→棚卸資産→売掛金→現金
このサイクルが何度も何度も繰り返されて、ビジネスは利益を生み出していくのである。
ビジネスの経済的特性と、市場における永続的競争優位の有無を見極める際、流動資産のサイクルに含まれる様々な要素は、バフェットに数多くの判断材料を提供してくれる。
大不況という困難な時代がやってきたとき、現金は最大の武器となる。
バフェットが初期の段階で確かめるのは、資産の中にどれくらいの〔現金および現金同等物〕が含まれるかという点。
〔現金および現金同等物〕が多いとき、バフェットは良い解釈と悪い解釈の2通りを考える。その企業が競争優位性を生かして大量の現金を稼ぎ出している、という良い解釈。事業の一部や大量の社債を売ったばかりである、というあまり良くない解釈。
逆に保有する現金が少量もしくはゼロの企業は、たいていの場合、根源的経済性が平凡もしくは貧弱である。
基本的に、巨額の現金を備蓄するためには3つの方法がある。
第1は、社債や株式を新規発行して一般大衆に売る方法。第2は、所有する事業や資産を売却する方法。いずれの場合も、何かに使用するまでは、大量の現金が手元に残る。第3は、運転資金よりも多くの現金を本業で稼ぎ出す方法。
バフェットが目を釘付けするのは、この3つめのシナリオである。なぜなら、本業の結果として余剰金を蓄えられる企業は、多くの場合、何らかの永続的競争優位性から好業績を引き出しているからである。
ある企業が一時的な事業上のトラブルに苦しみ、近視眼的なウォール街の連中に愛想を尽かされ、株価の暴落に見舞わせているとき、バフェットはその企業が蓄えている現金や有価証券の額をチェックする。そして、直面する危機を乗り切れるだけの財政力があるかないかを冷静に見極めるのである。
ルールは単純明快。
大量の現金と有価証券を保有し、借入金がほとんど、もしくは全くない企業は、トラブルの荒波を無事に乗り切る可能性が極めて高い。逆に現金不足に苦しみ、負債の山を抱える企業は、世界最高の経営者が乗り込んでも沈没してしまう可能性が高い。
企業の現金の出所を確かめたいなら、簡単なテストをすればいい。現在保有されている現金が、社債や株式の新規発行、あるいは資産や事業の売却によって生じたものなのか、それとも、日々のビジネス活動を通じて蓄積されてきたものなのかは、過去7年の貸借対照表を見ればすぐ分かる。
大量の借入金が存在している場合、その企業は優良なビジネスではない可能性が高い。逆に、大量の現金を保有していながら、借入金が少量もしくはゼロで、株式発行や資産売却をしておりず、長期的に収益の一貫性が確認出来る場合は、永続的競争優位性を持つ優良なビジネスの可能性が高い。
バフェットが探し求め、長期に私たちをお金持ちにしてくれるのは、このような企業である。
大不況という困難な時代がやってきたときに、現金が最大の武器となることを、ゆめゆめ忘れてはならない。自分が現金を持っていて、ライバルが持っていなければ、私たちは世界を支配できる。
棚卸資産の急激な増減がある企業は、要注意。
〔棚卸資産〕とは、将来の売却のために、倉庫で蓄えている製品のこと。貸借対照表は特定の日付で作成されるため、棚卸資産の数字は、その日付における在庫品の価値を示している。
多くのビジネスは、棚卸資産が無用のものになったり時代遅れとなるリスクを抱えている。しかし、今までに見てきた通り、〔コカ・コーラ〕など他にはないユニークな製品を売って永続的競争優位性を持つ企業は、自社製品に改良を加える必要がない。言葉を換えるなら、決して時代遅れにならないという点が強みとなっている。バフェットはこのような優位性を探し求めている。
そうした永続的競争優位性を持つ企業では、棚卸資産と純利益が共に増加する傾向がある。製品販売を伸ばして収益を向上させているので、注文を期日どおりにさばくために、在庫を増やす必要に迫られるからである。
逆に、ある企業の棚卸資産が急増したかと思うと、わずか数年後に急落するというケースもある。その場合は、過酷な競争体質を持つ業界の中で、バブルとバブルの崩壊を経験した可能性が高い。そして、バブル崩壊の波をかぶってしまっては、そのような企業に投資してお金持ちになることなど夢のまた夢なのである。
総売上高に占める売掛金の割合が、一貫して他社より低い企業は、
競争優位性を持つ可能性が高い。△
企業が製品を小売業者に売るときには、基本的に2つの方法が存在する。現金で前払いする方法、もしくは、製品の受け渡しから30日以内に後払いする方法である。ビジネスの種類によっては、支払期限が30日を超える場合もある。
このように現金の支払いが繰り延べされ、宙ぶらりんになった売上のことを〔売掛金〕と呼ぶ。売掛金はいわば企業が貸しているお金。しかし、小売業者の何分の1かは、製品を受けっておいて代金を踏み倒すため、売掛金から推定貸倒金を引いた〔売掛金純額〕という数字も用いられる。
売掛金-貸倒金=売掛金 (純額)
売掛金(純額)だけ見ても、企業の永続的競争優位性についての情報は殆ど得られない。しかし、同業種の企業を比較する際には、大いに役に立つ。競争が極めて激しい業界では、取引相手に有利な支払条件を示すことで、同業他社より抜きにでようとする企業が出てくるからである。例えば、支払期限を30日から120日に延ばせば、この会社と取引をしようとする業者が増えるだろう。この場合、会社の売上とともに売掛金も増加していく。
したがって、もしも総売上高に占める売掛金(純額)の割合が、一貫して同業他社よりも低い企業があったとしたら、ある種の競争優位性を持っている可能性が高い。そうした強みがあるからこそ取引条件を妥協する必要もなく、他社より有利にビジネスをしていけるのである。
流動比率で企業の優劣を見分けることはできない。×
流動資産合計の数字は、長い間、企業の財務分析において重要な役割を演じてきた。流動資産から流動負債を引けば、企業が短期負債を完済できるかどうかが分かる、というのがアナリストたちの伝統的な主張だった。
彼らはまた〔流動比率〕と呼ばれる指標も作り出した。流動資産を流動負債で割って得られるこの費率は、高ければ高いほど、その企業の流動性が優れているとされる。
流動資産÷流動負債=流動比率
流動比率は1より高ければ良く、1より低ければ悪い。1より低い企業は、短期負債の返済に苦労すると考えられている。
しかし、面白いことに、永続的競争優位性を持つ企業の多くは、流動比率が分岐点である1を割り込んでいる。ムーディーズは、0.64、コカ・コーラは、0.95、P&Gは、0.82、といった具合。
旧来の学説からすれば、これらの優良企業は優良企業は流動負債の返済に窮しているはずである。しかし、実際は、とてつもなく大きな収益力のおかげで、いとも簡単に流動負債を返済できるのであるう。同様に、優良企業は追加の現金が短期的に必要になっても、コマーシャルペーパー(信用力の高い企業が発行する無担保の約束手形)で資金を市場から安く調達することができる。これも力強い収益力のおかげである。
優良企業は有り余る収益を、高額な配当や自社株買いに振り向ける。それは企業の現金保有高を減少させ、流動比率を1以下に押し下げる。しかしながら、優良企業の永続的競争優位性は、一貫して高い収益を生み続けるため、流動負債の支払いは滞りなく行われ、景気変動や不況の波に翻弄されることもないのである。
要するに、永続的競争優位性を持つ企業の多くが、1を下回る流動比率を示しているのである。こうした例が存在する以上、永続的競争優位性の有無を判定するときに、流動比率は殆ど判断材料にならない。
変更の必要がない製品を一貫して生産し続けることは、
一貫して収益をあげ続けることに等しい。
企業が保有する〔土地と生産設備〕の全体価値は、貸借対照表に資産として記載される。記載される数字は、取得時のコストから減価償却費累積額を引いたものである。生産設備は時間とともに少しずつ損耗していく。生産設備の価値に対しては、毎年、減価償却を行わなくてはならない。
永続的優位性を持たない企業は、日々、絶え間ない競争に直面させられている。競争から脱落しないようにするためには、たとえ設備が完全に損耗していなくても、絶え間なく生産設備を更新し続けなければならない。このような状況は、当然、莫大な出費をもたらし、貸借対照表上の〔生産設備〕の数字をふくらませる。
一方、永続的競争優位性を持つ企業は、競争の参加費として絶え間なく生産設備を更新する必要などない。ブランド力の強い飲料メーカー〔コカ・コーラ〕を例にとってみよう。コカ・コーラは製造工場を建てた後、完全に損耗するまで生産切設備を使い切ることができる。
つまり、永続的競争優位性を持つ企業は、完全に損耗した時点で工場を建て替えればよいわけである。それに引き換え永続的競争優位性を持たない企業は、競争から脱落しないためだけに、生産設備を更新しつづけなければならない。
バフェットは次のように言う。
変化の必要がない製品を一貫して生産し続けることは、一貫して収益をあげ続けることに等しい。
同じ製品を一貫して生産し続ければ、競争力を保持するためだけに生産設備の更新に莫大な資金を注ぎ込む必要がなくなり、莫大な剰余金を収益製の高い事業に振り向けられる。
リッチになりたいなら、まず第一にお金を儲けなればならず、儲けるお金は多いに越したことはない。そして、多くのお金を儲ける1つの方法は、隣人たちと競い合う参加料として、莫大な資金を注ぎ込まずにすむ状況をつくり出すことなのである。
どんな会社を買収しているのか。
のれん代が増加している企業に注目。
例えば、〔エクソン〕が、XYZ石油という会社を買収したとき、XYZ石油の帳簿価額(純資産価値)よりも高い代金を支払ったとすると、この超過分は、〔エクソン〕の貸借対照表上で〔のれん代〕の項目に計上される。多数の企業を簿価以上で買収した場合、買収元の企業の貸借対照表には、多額ののれん代が記載されることになる。
長期に渡ってのれん代が増加している場合、その企業が他企業の買収に血道をあげている、という状況が考えられる。永続的競争優位性を持つ企業を買っているなら、この状況は好ましいことと言っていい。
もしも、のれん代の数字が何年間も同じなら、簿価以下での企業買収を行っているか、企業買収自体を全く行っていないかのどちらかである。
ただし、何らかの永続的競争優位性から利益をあげている企業が、簿価以下で売りに出されるケースは殆ど皆無と言っていい。殆ど皆無と言ったのは、ごくまれに売りに出されることがあるからである。このような場合、一世一代の買収の好機を逃す手はない。
無形資産を評価してこそ超リッチの道がひらける。
〔無形資産〕とは、特許権、著作権、商標、フランチャイズ、ブランド名など、物理的に触れることのできない資産を指す。遠い昔は、企業が通用すると思えば、無形資産をどのようにでも評価することができた。ときには笑ってしまうような評価も散見され、悪用はあとを絶たなかった。最近では、企業内で構築された無形資産を、貸借対照表に記載することは許されていない。空想的な評価をした無形資産で、貸借対照表を水増しするような時代は終わったのである。
しかし、第三者から入手した無形資産は、公正価格で貸借対照表に記載される。資産に寿命がある場合。例えば、特許権は、有効期間内で償却を行ない、毎年、償却分が損益計算書と貸借対照表に計上される。
永続的競争優位性を持つ企業には、奇妙な現象が起こる。例えば、〔コカ・コーラ〕は、価値にして1000億ドル以上のブランド名を所有しているが、このブランド名は自社内で構築された資産なので、無形資産としての実勢価値がコカ・コーラの貸借対照表に反映されることはない。これと同じ状況が〔リグリー〕〔マクドナルド〕〔ペプシ〕〔ウォルマート〕にも発生する。優良企業の永続的競争優位性は、企業名と密接に結びついているが、最大の資産とも言うべきブランド名の価値は、貸借対照表から読み取ることはできないわけである。
株主の財産を増やしてくれる永続的競争優位性の力が、長い間 投資家たちの目にとまらなかった理由の1つは、この無形資産の評価にある。10年分の損益計算書を子細に比較してみなければ、永続的競争優位性の存在を探り当てたり、自分を超リッチにしてくれる潜在性を確認したりすることは難しい。バフェットはそうした努力を怠らなかった。だからこそ、〔コカ・コーラ〕のような世界の誰もが認める優良企業に対して、バフェットは高い投資比率を保ってこられたのである。
世界はバフェットの投資行動を全く理解できなかった。ベンジャミン・グレアムを祖をするバリュー投資家にとって〔コカ・コーラ〕の株価は高すぎ、合理的な投資の対象とはなりえなかった。一方、ウォール街のトレーダーたちにとって〔コカ・コーラ〕の株価変動率は低すぎて、魅力的な投資対象とはなりえなかった。
バフェットが理解し、他の人々が理解できなかったのは、〔コカ・コーラ〕の永続的競争優位性と、それに伴う長期的収益力である。実際、〔コカ・コーラ〕の収益力は、長い時間をかけてバフェットを世界一の大富豪にしていったのである。
ありふれた会社でも、永続的競争優位性を持つ企業に投資していれば、
いつしか秀でた存在となる。
貸借対照表上の〔長期投資〕という勘定項目には、株式、債権、不動産など1年を超える長期投資の価値が記される。関連企業や子会社への投資も、この勘定に含まれる。
長期投資勘定について興味深いのは、取得価格と市場価格のうち、低い方の価格で記載される点である。アメリカの会計基準では、取得後に投資の価値が高騰した場合でも、取得時の価格を上回る数字を計上することは許されない。つまり、企業が極めて価値の高い資産を保有していても、財務諸表には市場価格より極めて低い数字が記されている、という状況が発生しうる訳である。
長期投資を見れば、経営陣の投資に対する考え方がよく分かる。永続的競争優位性を持つ他企業に投資しているのか、それとも、過当競争気味の業界で戦う他企業に投資をしているのか?
ときとして優良企業の経営陣が、大きいことは良いことだという理由だけで、凡庸な大企業に巨額の資金を投じる場合がある。また、凡庸な企業の優秀な経営者が、永続的競争優位性を持つ企業に投資する場合もある。
後者の典型例が、ウォーレン・バフェットである。今日でこそ帝国と呼ぶにふさわしいバフェットの持株会社〔バークシャー・ハサウェイ〕も、かつては、過酷な競争を繰り広げる繊維業界に属するありふれた会社だった。バフェットは〔バークシャー〕の株を買い集めて経営権を手にすると、配当を停止して現金を貯め、この運転資本を使って保険会社を買収した。それから、保険会社の資産を利用して、40年の間、永続的な競争優位性を持つ企業を買ってきたのである。
たとえ見た目が〔カエル〕のような企業でも、永続的競争優位性という〔キス〕を何度もしてやれば、〔王子〕のような企業に変身してくれる。
あまりに高い総資産利益率は、
競争優位性の脆弱(ぜいじゃく)さを表している場合がある。
流動資産と固定資産を足せば、その企業合計 (総資産)が導き出される。この資産合計の数字は、負債合計と純資産合計を足した数字に等しい。資産合計と負債・純資産合計の間にはバランスが成り立っており、だからこそ貸借対照表 (バランスシート)と呼ばれているのである。
企業がどれほど効率的に資産をつかっているかを見定めるため、アナリストたちは〔総資産利益率〕という重要な指標を考え出した。総資産利益率は、純利益を資産合計 (総資産)で割って算出する。
純利益÷資産合計 (総資産)=総資産利益率
どんな業界でも、必要な資本の調達は、新規参入の障壁となる。企業の競争優位性が永続的になるかどうかは、ゲームの参加費がどれだけ高いかによっても左右されるのである。
〔コカ・コーラ〕は430億ドルの資産に対して総資産利益率が12%、
〔P&G〕は1430億ドルの資産に対して総資産利益率が7%、
〔ムーディーズ〕は17億ドルの資産に対して総資産利益率43%である。
アナリストの多くは、総資産利益率が高いほど良いと主張する。しかし、バフェットが発見した通り、あまりにも高い総資産利益率は、競争優位性の脆弱さを表している場合もある。
例えば、〔コカ・コーラ〕に対抗すべく430億ドルを集めるのは不可能だが、〔ムーディーズ〕に対抗すべく17億ドルを集めるのは、可能の範疇に入ってくる。こうした点から〔ムーディーズ〕の根源的経済性は〔コカ・コーラ〕よりもはるかに脆弱であると言える。なぜなら、業界への参入コストが著しく低いからである。
総資産利益率は必ずしも高い方が良いわけではないのである。
買掛金、未払費用、その他流動負債の3つから企業の現状がわかる。
〔買掛金〕とは、製品やサービスを掛け買いした企業が、サプライヤーに対して負っている債務のことである。例えば、わたしたちがコーヒーを1000ポンド分注文すると、商品とともに請求書が送られてくる。このコーヒー1000ポンドに対する請求書は、買替金に分類される。
〔未払い費用〕とは、企業が抱える負債のうち、まだ請求書が発行されていない分を言う。この費用には、売上税預かり金、未払賃金、未払貸借料などが含まれる。例えば、わたしたちが賃金を月末に払う約束で誰かを雇った場合、月末までに提供される労働は、未払賃金として貸借対照表に記載される。
〔その他流動負債〕とは、他のカテゴリーに属さないあらゆる短期債務を詰め込んだ項目である。
買掛金、未払い費用、その他流動負債の3項目を総合すれば、企業の現状について多くの情報を得られるが、1つの項目を単独で見るだけでは、ビジネスの長期的経済特性に関しても、永続的競争優位性の有無に関しても、決定的な判断材料を得ることはできない。
しかしながら、企業が抱える短期借入金と長期借入金の額を見れば、ビジネスの長期的経済特性に関しても、永続的競争優位性の有無に関しても、莫大な量の情報を得ることができる。
長期借入金より短期借入金が多い銀行は、投資対象から除外せよ。
長期借入金満期分と予想されるトラブル。
優良なビジネスは『流動性クッション』を必要としない。
永続的競争優位性を持つ企業は、ほとんどの場合、
長期借入金が少額もしくはゼロである。
少数株主持分は負債に計上される。
わたしたちが探し求めている企業は、
自己株式調整済み負債比率が0.8以下。
純資産は企業の正味の価値である。
すぐれた企業は、優先株を発行しない傾向がある。
内部留保の着実かつ長期的な増加は、
永続的競争優位性を持つ企業の特徴の一つである。
自己株式(金庫株)の存在は、
企業が豊富なキャッシュを持っている証である。
株主資本利益率(自己資本利益率)で経営者の手腕を測る。
株主資本利益率が高ければ、やがて株価の上昇となって表われる。
巨大なレバレッジを使って利益をつくり出している企業は、
いつか化けの皮がはがれる。