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地政学的リスク
一般的には、テロや戦争、財政破綻などから生じるリスクを意味します。投資家の立場からみると、不確実性です。ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張が高まりが、地理的な位置関係により、その地域の経済、または世界経済全体の先行きを不透明にするリスクです。地政学的リスクが高まれば、地域紛争やテロへの懸念により、原油価格の高騰、為替通貨の乱高下を招き、企業の投資活動や個人の消費者心理に悪影響を与えることになりますので、警戒感が高まります。
9.11 ショック(2001)
「9.11」が米国マーケットに、大きな影響を与えたことはご存知だと思います。ダウ平均(9.10)は、9,605.51ドル。その後、1週間以上NY証券取引所は閉鎖され、取引再開時のダウ平均(9.17)は、8,883.4ドルまで下落しました。
一方、ドル円相場は、
9.10 ➡ 121円台
9.11 ➡ 118.5円と、円高ドル安となりました。
米国金融市場は、非常に不安定だったことがわかります。
複雑な影響
こうした背景の中、2002年にFRBが初めて「地政学的リスク」という言葉を使用したのです。この言葉には、以下のような複雑な影響が考えられています。
①米国マーケット(株、債権、商品など)に与える影響
②消費者マインドを通じて経済全体に与える影響
③石油など重要資源の米国への供給状況の変化
2017年4月に起きた地政学的リスク
・ロシアでのテロ事件(4.3)
・北朝鮮のミサイル発射(4/5)
・米国によるシリアへのミサイル発射(4/6)
・スウェーデンでのテロ事件(4/9)
・エジプトでのテロ事件(4/9)
シリア内戦をめぐる構図
米国は、シリア反体制派に支援。シリア反体制派は、アサド政権(イラク)と対立。ロシアは、アサド政権に支援。ということは、米国対ロシアということになりかねません。米国は、アサド政権が、シリア国内の反体制派に、化学兵器を使用したと断定し、即ミサイル攻撃を決行しました。日本付近では、北朝鮮の核開発にも注目し、米国が攻撃する可能性も膨らみました。軍事力を使用せず、世界情勢をよくする方法は、本当に無いものでしょうか。私たち国民は、戦争など望んでいないことを、理解してほしいと切に願うばかりです。
金融用語・意味
戦争とは、広くは,民族,国家あるいは政治団体間などの武力による闘争をいうが,国家が自己の目的を達成するために行う兵力による闘争がその典型である。かつては,国家は国際紛争解決の最終的手段として戦争に訴える権利があるとされ,交戦法規に従うかぎりあらゆる害敵手段の行使が許され,戦争状態のもとでは交戦国は互いに平等な法的地位に立つとされた。しかし今日では,国連憲章下において戦争は禁止され,戦争でない武力の行使や武力による威嚇も,自衛権の行使および国連の強制措置を除き一般に禁止されている。(コトバンク参考)
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