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本当に景気が良いとは

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景気が良いとは

たとえば、ハンバーガ屋を経営している社長だとします。そのお店のハンバーガは、とても美味しいと評判です。みんながそのハンバーガを欲しがり、店の前には毎日のようにお客様が並びます。すると、こんな状態になります。

  • あなたのハンバーガ屋が儲かります。
  • パンを売るパン屋も儲かります。
  • レタスやトマトを売る八百屋も儲かります。
  • レタスやトマトを作る農家も儲かります。
  • 牛肉を売るミートショップも儲かります。
  • 牧場も儲かります。
  • みんな儲かって、給料も上がっています。

そのため、「景気がいい」と感じます。おまけに八百屋やミートショップなど、ハンバーガの材料を売る人々も儲かるため、みんなが「景気がいい」と感じます。しかし、経済学においては、これだけでは景気がいいとは言えません。なぜなら、経済学において景気とは、世の中全体の経済状況を表すからです。では、これならどうでしょう?

  • あなたのハンバーガ屋は儲かっています。
  • あなたに材料を売る人も儲かっています。
  • 商店街はお客さんが多くて活気があります。
  • でも隣のうどん屋はつぶれました。
  • 自動車も売れています。
  • 家電メーカーも儲かっています。
  • でもデパートが1社、倒産しました。
  • 日本人の多くが「給料」が上がっています。
  • 日本人の多くが「儲かっている」と感じています。

このように、日本全体的・平均的にモノやサービスが売れ、「給料が上がる」「商売が上手くいっている」と、感じている状態が、好景気と言えます。人それぞれ状況が異なるため、倒産した企業は、不景気だと感じる人もいます。このように、「好景気」→「給料が上がる」→「お金を使う人が増える」→「GDP(国民総生産)上がる」→好循環の流れが生まれます。大切なことは、「お金を使う人が増える(=個人消費が増える)」ためには、どうしたらよいのか?です。

 

好景気にするための 6つ の手段

「日本が好景気かどうか」を判断する経済指標で重要になるのがGDP。(GDPとは、「国内で1年間に作った儲けの総額」。この数字には、日本で働く外国人労働者も含まれます)

✦Point:2015年の日本のGDPは532兆1914億円。アメリカ、中国についで世界第3位でした。

 

①『個人消費』

GDP内訳は、約56%が『個人消費』。つまり、日本にとって一番のお客様は、我々国民であり、国民の買い物が、日本のGDPの半分以上を支えています。もちろん中国人の爆買いも含まれます。

✦Point:日本のGDP、「日本の儲け」の約56%は国民の買い物「個人消費」が支えています。

 

②『設備投資』

次に、約15%が『設備投資』。企業の買い物をします。新しい工場を建てるとき、商品を製造するための機械を買うとき。

 

③『公共投資』

約5%が「公共投資」。これは、国や地方自治体の買い物。主に公務員や自衛官の給与が含まれる「政府消費」と、橋や道路の建設やリニアなどの「公共投資」などがあります。①~③の「個人・企業・海外」の買い物、需要を増やすた必要があることがわかります。では、増加させるためにはどうしたらよいのか?

✦Point:日本のGDP(日本の儲け)の90%を個人、企業、海外の買い物が占めている。

 

④『低金利』

「個人消費」を増やすためには、単価の高い商品、クルマや家を買う人のためにも、銀行ローンなどの『低金利』状態にすると効果的。金利が低くなると、銀行に預けるより、株などに投資する傾向が強まる。企業の買い物「設備投資」が増えるためには、商品がたくさん売れ、会社が儲かると同時に、「設備投資をすれば、もっと儲かる1」と、会社が判断する必要があります。設備投資をする時も、銀行からお金を借りることになるため、ローンが低金利であれば、設備投資しやすくなります。

 

⑤『円安(ドル高)』

外国人の買い物「輸出」を増やすために、「欲しい!安い!」と思わせる日本製品と、日本サービスを強化することです。「安い!」と思われるためにも、『円が安い』ほうが有利。

 

⑥『インフレーション(物価上昇)』

景気を上げるための強力な武器は、「モノの値段を上げること(物価上昇)」。ここで大切になるのが、「賃金上昇」です。給料が減っては、買い物出来ません。ハンバーガ屋の社長は、値段を上げることにしました。その理由として「肉を焼く鉄板を1台購入」「スタッフの給料をアップ」「新スタッフを雇用」。それに対してお客様は「支払うだけの価値がある」「自分も給料が上がった」と、ハンバーガを買い続けました。つまり、需要と供給のバランスが高状態となった結果『物価上昇』になります。このように「物価」と「賃金」の上昇が全体で起こり、一定期間持続することを『インフレーション』といいます。

✦Point:物価上昇と賃金アップによるインフレは、日本を好景気へ導きます。(インフレとは、物価が上がり続け、相対的にお金の価値が下がる状態です)

 

インフレ状態では、未来より現在の購買力が高まります。資産を現金で持ち続けることが、不利だと考える人が増え、投資活動が活発になります。ここでいう投資活動は、株だけではなく車や家の購入も含まれます。インフレになると、世の中に存在するお金の総量が増えます。インフレにするには、世の中に出回っているお金の総量を増やせばよい。世の中に出回っているお金の総量を、マネーサプライ(通貨供給量)といいます。増やすことでインフレの原動力となります。

✦Point:物価が上がり続けるインフレでは、「現在」の消費が促進されます。

 

デフレは、その逆の連鎖。価格の下落 → 売上の減少 →賃金の抑制 → 消費低迷 → 価格下落 →

✦Point:デフレになると物価が下がり続けるので、個人や企業は大きな買い物を先延ばしにします。

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