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3つのポイント
・設備投資
・減価償却
・研究開発
この3つの数字をチェックすれば、中長期的な成長力を判断できます。
会社の姿勢が見える指標
成長する企業は、絶えず新しい事業分野などに、進出・新商品の開発に取り組んでいます。「四季報」の『指標等』で、3つのポイントについて、直近決算期の実績、進行決算期の計画金額を記載。
設備投資
・工場設備や営業拠点などの建物
・店舗などの有形固定資産
・商標権や特許
・ソフトウェアなど無形固定資産への投資額の合計金額。
減価償却
有形固定資産と無形固定資産の取得原価(購入額)を、耐用年数にわたり一定の方法で分配し、費用化したもの。
攻める企業
設備投資が減価償却を上回ります。減価償却費は、支払い期間中の利益に対して、マイナスの影響を与えます。しかし大半の場合、過去に設備投資を行った時点で支払いが完了しているため、実際に支払うものではありません。そのため、財務上は、フリーキャッシュフローの一部と見なされ、設備投資の資金留保を考えられます。設備投資が減価償却を上回っている企業は、事業拡大意欲が旺盛であると考えられます。減価償却を超過する金額は、
・手元資金で充当するか
・借入金や社債などの負債による調達
・増資など市場からの資金を直接調達
などの方法が必要なため、どのように資金捻出するかも注目です。逆に、下回っている企業は、事業拡大に慎重な姿勢と見られます。投資内容も、機械設備の更新、合理化投資程度と考えられ、今後の成長がスローダウンする可能性があります。
業種による重要度
研究開発費は、今後の中長期的な商品や技術を、開発するための先行投資です。「四季報」では、研究、開発、試験のための人件費、原材料費、設備装置購入費など、合計金額を記載しています。設備投資や研究開発費は、業種やビジネスモデルなどで重要度に濃淡があります。たとえば、金融業、保険業、証券業では、他業種より重要度が低いため、「四季報」には記載していません。また、小売業、卸売業、不動産業、鉄道を含む陸運業などは研究開発がゼロの企業が大半です。一方、売上高に占める研究開発費は、製薬企業の水準が高いため、設備投資の目立った増強、新設投資、更新、合理化投資、などで数千億円にのぼるケースもあります。
材料欄の記事チェック
設備投資や研究開発費は、企業成長には欠かせないものですが、投資判断を誤ることにより、業績低迷が続くことにもなりかねません。新たに工場が稼働しても、物が売れず稼働率が低いままのケースもあります。設備投資や研究開発費の判断には、投資金額以上を回収できる投資かどうか、などが大変重要になります。
賢明なる投資家バフェット氏
『設備投資や研究開発が少額でも成長し続ける企業、同じ商材でも永続的に勝負できる企業』に投資します。そのためにも「四季報」の設備投資や研究開発費に注目です。
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