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スマホ決済市場
中国では、アリババ・テンセントの2大ハイテク大企業が、スマホ決済のシステムを構築。両社合計10億人使用と予想。「アリペイ(Alipay=アリババのサービス)」「ウィーチャットペイ(=テンセントのサービス)」銀聯(ぎんれん)などのクレジットカードは、一気に駆逐。
この考え方で、デビッドカードを発展させると、鍵をかける対象(「担保」に近いもの)は、「定期預金」に限らなくなる。たとえば、住宅、車、生命保険、退職金、年金など、将来的にお金に換わるなら何でもいい。自分の労働を確約し、提供してもいい。原理3のように、「信用を創造する人」が仲介する「両替(Exchange)」があれば、何でも等価換算可能となる。支払いが滞った場合、住宅や車を売却した時、生命保険がおりた時、退職金や年金を受給した時などに、支払うという約束を、ネット上で交わすのである。上記システムを作り上げれば、住宅や車、生命保険、退職金、年金など、「現在のキャッシュ」と同じ価値を持つ。ただし、「現在の5万円」と、「将来の5万円」は同じではないため、原則2が適応される。(原理2:価値は時間の関数である。)
フィンテックの典型
たとえば、「現在の5万円」の価値が、平均寿命まで生きた場合、いくらに増えるか、自動的に計算する。仮に、「将来価値は6万円」とする。5万円のパソコンを購入者の口座残高が、普通預金と定期預金ともにゼロだとしても、「将来の生命保険」に、同額鍵をかければいい。スマホをかざすだけで、死亡時の生命保険を5万円分ロックするシステムを作るということ。期日までに購入者が、普通預金口座に5万円を入金すれば、普通口座から引き落とせばいい。もちろんその時は、生保の鍵を外す。もし入金がなくても、生命保険があれば、返済可能である。これがフィンテックの典型。要するに、「約束事」だけの仕掛けということ。
No.1はアフリカ
スマホによる決済が、世界で最も進んでいるのは、アフリカである。
エアテル・マネー
たとえば、ナイジェリアで働いている息子が、ザンビアにいる母親に送金する時、「パルティ・エアテル」という会社のモバイル決済サービスを使い、キャッシュ(ナイジェリアの貨幣)をスマホで「エアテル・マネー」という仮想通貨に換えて送金する。すると、母親のスマホに、送金金額の仮想通貨がチャージされる。キャッシュ(ザンビアの貨幣)に代わり、国内で使用可能となる。小さな町や村に銀行はないが、電話会社ならあるため、そういうシステムが発達したのである。これは紛れもなくフィンテック。こうしたフィンテックの考え方を使えば、ビジネスチャンスは大きく広がる。
日本のサービスもフィンテック
すでに日本は、電車や飛行機チケットの購入から座席指定まで、すべてスマホ可能である。これは原理3の「貨幣に依存しないスマホ決済」であり、全世界共通である。今後の金融機関は、タクシー業界を脅かしているウーバーのような新規参入者に、大きく侵食されるであろうと見込める。JR東日本「Suica」首都圏私鉄、地下鉄、バス用「PASMO」日本では、交通系の非接触型ICカードの普及率が非常に高く、地域別に種類がある。「Edy」「iD」「nanaco」「WAON」「QUICPay」という電子マネーもある。ヤマダ電機やビックカメラなど、ポイントカードも多くの利用しており、貨幣に近い価値を持つ。楽天スーパーポイントなどのネット上ポイントも同様である。
今後の注目ポイント
このような考え方を持ち込み、全ICカード、電子マネー、ポイント制度、生命保険、退職金なども含め、相互性を持たせ「現在の貨幣」に換算する仕組みを創造し形にする企業が、大きなビジネスチャンスとなる。
フィンテック商社
リスクに応じたアービトラージ(サヤ取り)をし、一手に引き受ける。リスクは規模が拡大すればするほど、薄まると考えられるため、巨大企業の「フィンテック商社」になる。
交通系 非接触ICカード
利用者が、いつ、どこからどこまで乗車したかの「人の動き」を把握し、ビジネスにつなげることも可能。たとえば、Aさんの場合、平日B駅からC駅まで通勤とし、C駅のデパートがAさんのスマホにお得情報のメールが届くことで、ワン・トゥ・ワン(One to One)の個人マーケティングを展開。
まとめ
フィンテックの本質と、「4つの原理」を念頭に考え、ビジネスチャンスは拡大する。結果的に、日本銀行発行の通貨量に関係なく、お金(等価のモノ)が動くので、経済規模は何倍にも膨らむ。言い換えれば、原理4の国家発通貨を前提としない「信用の創造」ができる時代が到来する。まさに映画の『TIME』が現実に起こる。変革時代を生き抜くために、日々勉強することが大切です。
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