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テスラ(TSLA)
2003年設立し、アメリカのシリコンバレーに拠点を置く、カッコイイ電気自動車を作る企業です。自動車製造には、ロボット化を進めており、ソーラーパネル事業も手がけています。
素材から一貫生産
テスラ製造工場の特徴の1つは、素材からの生産を一貫していることです。既存のガソリン自動車工場の場合、下請け企業から購入し、集めた部品を組み立てるケースが多い。その点、テスラは、工場内にアルミニウムを溶融する設備があるほか、プラスチック製品もダッシュボード付近以外は、自社で素材から作り上げています。1台あたり、生産完了日数は、約5日間です。設立わずか10年強のベンチャーが、目の肥えたドライバーも魅了する完成車を作ることができる最大の理由は、「工程の少なさ」にあります。
設備や人員を持たない
一般的には、ガソリン自動車に比べ、電気自動車(EV)は部品数が少なく、製造工程も少ないと言われます。実際のエンジンは、1000個以上の部品から作られる一方、テスラでは17個の部品しかありません。
・モデルS
・高級SUV「モデルX」
約6割同じ部品を使い、効率化にも徹底しています。
技術面の特徴
①ロボットを動かす仕組み
ロボットは標準品であるが、それを動かすソフトウェアの開発、効率的な配置等、技術が蓄積されています。
②リチウムイオン電池
1台あたり約7000本の小型電池を、パナソニックから大量購入しています。テスラは、小型電池の制御技術では専門家からも高い評価を得ています。
大衆向けモデル量産の課題
今後、事業として採算化が不可欠です。鍵を握るのは、2017年に投入する低価格の量産モデル「モデル3」の普及です。テスラは、モデルS、モデルX、モデル3と合わせ、2020年にも年間50万台の販売を見込んでいます。2017年には、モデル3の量産化に向けて、パナソニックと共同で大規模電池工場「ギガファクトリー」の建設が完了し、稼動開始するために動いています。広さ500~1000エーカーと、巨大な工場をとなり、最大50億ドルを投じる見込みです。投資回収には、テスラ製EVだけでは難しいため、他社のEV向け市場の活性化が不可欠です。テスラが持つ特許を利用し、より多くの企業がEVを量産することに期待が集まっています。
今後の展望
業績面では投資負担がかさみ、未だに赤字現状が続いています。しかし、株価が高騰し続けるには、創業者イーロン・マスク氏の存在が絶大です。かつて、ネット決済のペイパルを起業し、スタートアップで大儲けしたマスク氏は、「持続可能な地球の現実へ向け、将来的に人類が火星や月に行き来する環境をつくる」と言っており、EV普及は、その過程の1つです。マスク氏のビジョンに共鳴した投資家から莫大な資金が集まっているのが現状です。マスク氏が語る壮大な夢やビジョンは、アメリカ企業の注目株代表の1つです。
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